暴君CEOの溺愛は新米秘書の手に余る~花嫁候補のようですが、謹んでお断りします~
「30分ほどで診察に来てくれるらしい」
「そうですか、ありがとうございます」

診察の後近くの薬局から薬の配達もしてもらえるはずだから、これで安心だ。
後は、彼女の着替えを用意してやらないといけないのだが・・・

「とりあえず、下着の替えと部屋着があればいいか?」

もしかしてスキンケア用品とか、特別に必要な物があるのだろうか。
人に世話をされることはあっても、人の世話をしたことのない俺には全くわからない。

「どうせ家にも連絡を入れないといけませんので、母か父に持って来てもらうように頼みます。それより、副社長は仕事に」
「呼び方」
「え、ええっと・・・やっぱり無理ですよ。仕事の時は副社長と呼ぶしかできません」
「今は仕事じゃない、だろ?」
「それはそうですが・・・では、創介さん。こんな立派な部屋を用意していただいてありがとうございます。でも、私は一人で大丈夫ですから、創介さんは仕事に戻ってください」
「お前なあ」
こんな時にまで人の心配をする彼女が不思議でならない。

「それに、私はお前ではなく望愛です。人に言うならご自分も直してください」

どうだと言わんばかりの顔で俺を見る望愛がかわいくて、俺は抱きしめたい衝動を抑えるのに必死だった。
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