暴君CEOの溺愛は新米秘書の手に余る~花嫁候補のようですが、謹んでお断りします~
レストランのランチは絶品で本当に美味しかった。
きっとお値段も張るだろうけれど、いつの間にか圭史さんが支払いを済ませていて金額さえ教えてはもらえなかった。

「今度はディナーをご馳走したいんだが、どうかなあ?」
帰り際、私を見ながら圭史さんが言う。

「それは・・・」
困ったなっていうのが正直なところ。

「創介に怒られる?」
「そんなことはありませんが」
きっと嫌がるだろうな。
そう思うと、私も「はい、わかりました」と返事をすることができない。

「いいんですよ、勝手に怒らせておけば」

以前から思っていたけれど、桃ちゃんからは創介さんに対する敵意を感じる。
もしかして二人は過去に何かあったんだろうか?

「桃ちゃん言いすぎだ。創介は上司なんだからね」
「はーい」

強気な桃ちゃんも、圭史さんには素直なのね。

「今度また連絡するから、三人でご飯を食べよう。何でも好きなもの奢るよ」
「じゃあ、お寿司で」
「はいはい」

桃ちゃんが即答してしまい、圭史さんも苦笑い。
何だろう、この打ち解けた感じ。
それに、一体桃ちゃんは何者だろうと私は急に気になりだした。
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