暴君CEOの溺愛は新米秘書の手に余る~花嫁候補のようですが、謹んでお断りします~
過去の真実
翌朝。
それはいつもと変りない一日のスタートのはずだった。
しかし、
「坂本さん、副社長は来客中だからしばらく自分の部屋で控えていてくれないか?」
オフィスに着いたとたんに現れた谷口課長に言われ、私は足を止めた。
来客?それもこんな早い時間に。
「どなたですか?」
秘書として聞くのは間違っていないだろうと尋ねてみたが、
「今は言えない。内密な面談なんだ」
課長の表情は硬い。
「わかりました」
私は深く追求することなく、仕事の準備を始めた。
今までにも何度か人払いをしての面会はあった。
でも、今回は少し様子が違う。
「終わったら声をかけるから、それまではここにいてもらいたい」
「承知しました」
ここまで言うからにはよっぽど込み入った事情があるのだろうと、私は素直に返事をした。
その後課長は出て行き、私が一人残された執務室。
重たい扉一枚隔ては向こうには、創介さんと謎のお客様がいる。
そのことが、気にならないと言えば嘘になる。
昨日の今日だから例の船荷紛失事件の関係者かもしれないし、どこかの有名人がお忍びで現れたのかもしれない。
どちらにしても、人目をはばかる用事のお客様であることに間違いないらしい。
それはいつもと変りない一日のスタートのはずだった。
しかし、
「坂本さん、副社長は来客中だからしばらく自分の部屋で控えていてくれないか?」
オフィスに着いたとたんに現れた谷口課長に言われ、私は足を止めた。
来客?それもこんな早い時間に。
「どなたですか?」
秘書として聞くのは間違っていないだろうと尋ねてみたが、
「今は言えない。内密な面談なんだ」
課長の表情は硬い。
「わかりました」
私は深く追求することなく、仕事の準備を始めた。
今までにも何度か人払いをしての面会はあった。
でも、今回は少し様子が違う。
「終わったら声をかけるから、それまではここにいてもらいたい」
「承知しました」
ここまで言うからにはよっぽど込み入った事情があるのだろうと、私は素直に返事をした。
その後課長は出て行き、私が一人残された執務室。
重たい扉一枚隔ては向こうには、創介さんと謎のお客様がいる。
そのことが、気にならないと言えば嘘になる。
昨日の今日だから例の船荷紛失事件の関係者かもしれないし、どこかの有名人がお忍びで現れたのかもしれない。
どちらにしても、人目をはばかる用事のお客様であることに間違いないらしい。