暴君CEOの溺愛は新米秘書の手に余る~花嫁候補のようですが、謹んでお断りします~
きっと正反対の人間
一条プリンスホテルに就職して一ヶ月。
一日数回挨拶を交わし、最低限の会話しかしない上司との関係も相変わらず。
それでも、課長をはじめ秘書課のメンバーたちはとっても気を使ってくれて、みんなが頻繁に声をかけてくれる。
おかげで副社長が不在の時には一緒にランチなんてことも珍しくなくなった。
「望愛さん、よかったら一緒にホテルのレストランへ行きませんか?」
朝の申し送りを済ませ秘執務室へ帰ろうとする私に、年下だけど勤務年数では2年先輩の桃ちゃんが声をかけてきた。
「レストランって、うちの?」
「そうです。今イチゴフェアをしていてすっごい人気なんですよ。普段ならなかなかチケットが取れないんですけれど、たまたま2人分だけ取れて」
「へー、すごいわね」
一条プリンスホテルの春のイチゴフェアは雑誌やテレビでも取り上げられる毎年恒例のイベント。
私はまだ行ったことがないけれど、予約がいっぱいでなかなかチケットが取れないって聞いたことがある。
「金曜の夕方なんですけれど、行きませんか?」
「いいの?」
なかなか取れないチケットなのに。
「いいんです。金曜の夕方に付き合ってくれる女の子はあまりいなくて・・・」
「はあ、なるほど」
そういうことか。
周りのみんなは彼氏とお出かけだものね、行けるのは相手のいない私だけってことか。
ちょっと寂しいな。
「わかったわ。喜んで」
ホテルのデザートビュッフェなんていつぶりだろう。せっかく誘ってもらったんだから、たくさん食べないと。
「ああ、坂本さんいたいた」
その時、谷口秘書課長が少し慌てた様子で駆けてきた。
「課長、どうかしましたか?」
そのただならない様子に私は足を止めた。
一日数回挨拶を交わし、最低限の会話しかしない上司との関係も相変わらず。
それでも、課長をはじめ秘書課のメンバーたちはとっても気を使ってくれて、みんなが頻繁に声をかけてくれる。
おかげで副社長が不在の時には一緒にランチなんてことも珍しくなくなった。
「望愛さん、よかったら一緒にホテルのレストランへ行きませんか?」
朝の申し送りを済ませ秘執務室へ帰ろうとする私に、年下だけど勤務年数では2年先輩の桃ちゃんが声をかけてきた。
「レストランって、うちの?」
「そうです。今イチゴフェアをしていてすっごい人気なんですよ。普段ならなかなかチケットが取れないんですけれど、たまたま2人分だけ取れて」
「へー、すごいわね」
一条プリンスホテルの春のイチゴフェアは雑誌やテレビでも取り上げられる毎年恒例のイベント。
私はまだ行ったことがないけれど、予約がいっぱいでなかなかチケットが取れないって聞いたことがある。
「金曜の夕方なんですけれど、行きませんか?」
「いいの?」
なかなか取れないチケットなのに。
「いいんです。金曜の夕方に付き合ってくれる女の子はあまりいなくて・・・」
「はあ、なるほど」
そういうことか。
周りのみんなは彼氏とお出かけだものね、行けるのは相手のいない私だけってことか。
ちょっと寂しいな。
「わかったわ。喜んで」
ホテルのデザートビュッフェなんていつぶりだろう。せっかく誘ってもらったんだから、たくさん食べないと。
「ああ、坂本さんいたいた」
その時、谷口秘書課長が少し慌てた様子で駆けてきた。
「課長、どうかしましたか?」
そのただならない様子に私は足を止めた。