暴君CEOの溺愛は新米秘書の手に余る~花嫁候補のようですが、謹んでお断りします~
紅葉の海を背に私の前まで来て片膝をついた創介さんが、ポケットから小さな箱を取り出した。
「僕と結婚してください」
パカッと開けられた箱に入っていたのは、大きなダイヤモンドの指輪。
「望愛、受け取ってほしい」
真っすぐに私を見る眼差しは強い意志を感じさせる。
「私でいいんですか?」
「望愛がいいんだ」
「私なんて、何の役にも立たなくて」
「望愛がそこにいてくれるだけでいいんだよ」
優しく語り掛けるように話す創介さんの言葉を聞いて、私はある場面を思い出した。
小さいころから病気がちだった美愛が入院するたびに、「早くお家に帰っておいで。美愛がそこにいてくれるだけでいいから」と家族みんなで言っていた。
この瞬間、私の中でそうかそう言うことかと腑に落ちた。
周りから見れば厄介にしか見えない存在も、当事者にとってはかけがえのない人。
きっと理屈ではないのだとハッとして、
「私も創介さんの側にいたいです」
気が付けば口から出ていた。
ギュッ。
抱きしめられる感覚。
私もためらうことなく背中へと手を回した。
「僕と結婚してください」
パカッと開けられた箱に入っていたのは、大きなダイヤモンドの指輪。
「望愛、受け取ってほしい」
真っすぐに私を見る眼差しは強い意志を感じさせる。
「私でいいんですか?」
「望愛がいいんだ」
「私なんて、何の役にも立たなくて」
「望愛がそこにいてくれるだけでいいんだよ」
優しく語り掛けるように話す創介さんの言葉を聞いて、私はある場面を思い出した。
小さいころから病気がちだった美愛が入院するたびに、「早くお家に帰っておいで。美愛がそこにいてくれるだけでいいから」と家族みんなで言っていた。
この瞬間、私の中でそうかそう言うことかと腑に落ちた。
周りから見れば厄介にしか見えない存在も、当事者にとってはかけがえのない人。
きっと理屈ではないのだとハッとして、
「私も創介さんの側にいたいです」
気が付けば口から出ていた。
ギュッ。
抱きしめられる感覚。
私もためらうことなく背中へと手を回した。