暴君CEOの溺愛は新米秘書の手に余る~花嫁候補のようですが、謹んでお断りします~
このイベントのメインに選ばれた女性歌手は30代後半の実力派歌手。
元々はアイドルとしてデビューし、そのデビューイベントもこの一条プリンスホテルので行ったというホテルとは縁のある人。
デビューして数年後にアイドルグループは解散し、それからしばらく不遇の時代を経験したが数年前実力派歌手としてヒット曲を出し復活した。
「こちらとしても誠心誠意対応したつもりです。ステージセットも衣装も先方の意見を尊重しましたし、小さなこだわり一つ一つに対応してきました」
必死に言い訳を並べようとする部長や課長と違い、男性担当者は悔しそうに淡々と説明をする。
「じゃあ、何が不満だって言うんだ」
「それは・・・」
なぜだろう、核心になると男性の言葉が止まる。
「そもそも、すでに契約者は交わしていたんだろ?」
「ええ、そうなんですが・・・」
なぜか言葉を濁す部長。
でも、もしすでに契約書を交わしていたなら、先方にキャンセルに係るペナルティーが発生することになる。
当然相当な額になるはずで、わざわざそれを望むとは思えない。
「契約の時点で色々な細かい条件が付いていまして、今になってそれをひとつづつ持ち出して難癖をつけてきているんです」
「はあ?」
副社長の意味が分からないって顔。
「企画を円滑に進めるために細かなすり合わせを何度も行ってきました。元々わがままな人だとの評判は聞いていましたので、その都度議論を重ねて飲める条件は飲んできたんです」
自分たちは精一杯やったんだと言いたそうな担当者の男性。
「じゃあ何で、いきなり中止なんて話になるんだ」
苛立ちを含んだ副社長の声が大きくなった。
元々はアイドルとしてデビューし、そのデビューイベントもこの一条プリンスホテルので行ったというホテルとは縁のある人。
デビューして数年後にアイドルグループは解散し、それからしばらく不遇の時代を経験したが数年前実力派歌手としてヒット曲を出し復活した。
「こちらとしても誠心誠意対応したつもりです。ステージセットも衣装も先方の意見を尊重しましたし、小さなこだわり一つ一つに対応してきました」
必死に言い訳を並べようとする部長や課長と違い、男性担当者は悔しそうに淡々と説明をする。
「じゃあ、何が不満だって言うんだ」
「それは・・・」
なぜだろう、核心になると男性の言葉が止まる。
「そもそも、すでに契約者は交わしていたんだろ?」
「ええ、そうなんですが・・・」
なぜか言葉を濁す部長。
でも、もしすでに契約書を交わしていたなら、先方にキャンセルに係るペナルティーが発生することになる。
当然相当な額になるはずで、わざわざそれを望むとは思えない。
「契約の時点で色々な細かい条件が付いていまして、今になってそれをひとつづつ持ち出して難癖をつけてきているんです」
「はあ?」
副社長の意味が分からないって顔。
「企画を円滑に進めるために細かなすり合わせを何度も行ってきました。元々わがままな人だとの評判は聞いていましたので、その都度議論を重ねて飲める条件は飲んできたんです」
自分たちは精一杯やったんだと言いたそうな担当者の男性。
「じゃあ何で、いきなり中止なんて話になるんだ」
苛立ちを含んだ副社長の声が大きくなった。