暴君CEOの溺愛は新米秘書の手に余る~花嫁候補のようですが、謹んでお断りします~
副社長の好みはレタスのシャキシャキサンドイッチ。
あとはベーグルや米粉のパンも好きで、あまり手の込んだ総菜パンは好きではないみたい。
お昼もおにぎりやサンドイッチで終わらせてしまうほど食に興味は薄いようだけれど、好みはわりとうるさい。

「あ、あった」

大好きなレタスサンドなら食べられるはず。
一緒におにぎりも一つ買って、再び最上階の副社長室へ急ぐ。


そう言えば、先日で勤続三か月を迎えた私は歴代副社長秘書の勤務最長記録を更新したらしい。
だからと言って私自身に何の変化がある訳ではないけれど、秘書課のメンバーたちはやたらと盛り上がっていた。
中には「やっぱり会長のお墨付きは違うわ」何ていう人までいて、そこは聞こえないふりをした。
どうやら私が副社長の『花嫁候補』って噂は秘書課の中に存在するらしい。
それについて父さんに聞いてみたけれど、「年頃の孫に秘書がいないから望愛にどうだって言われただけだ」とだけ言っていたから、この先何か進展するとは思っていないようで安心した。
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