暴君CEOの溺愛は新米秘書の手に余る~花嫁候補のようですが、謹んでお断りします~
「今は創介の秘書なんだろ?」
「ええ」
そうか、龍ヶ崎夫人が副社長の叔母さまってことは圭史先輩と副社長はいとこ同士。
そう言われればどことなく顔も似ている。
「創介に虐められたらいつでもうちにおいで。望愛ちゃんなら大歓迎だから」
「もう、圭史先輩ったら」
ケラケラと笑いながら、私は子供の頃の自分を思い出していた。
あの頃、両親も周囲の大人たちも病弱で目が離せない美愛のことばかり気にしていた。
決して愛されていなかったわけではないけれど、元気で何でもできる私はいつも二番目だった。
そんな中で、私だけを見ていてくれたのが圭史先輩。
だからかな、私は圭史先輩が好きだった。
もちろん小さな子供の初恋でしかないけれど、忘れられない記憶だ。
「ずいぶん楽しそうだな」
「ああ、副社長」
いつの間にか目の前に創介副社長が立っていた。
それもなんだが機嫌の悪そうな顔。
もしかして会場で嫌なことでもあったのかしらと、不安になる。
「久しぶりに望愛ちゃんを見つけて声をかけたんだ」
嬉しそうに話す圭史先輩。
「望愛ちゃんね。知り合いだったのか?」
「ええ、子供の頃」
「俺は望愛ちゃんの王子様だから」
えっ。
子供の頃からの知り合いでと言おうとした私を遮った圭史先輩の言葉に固まった。
「ええ」
そうか、龍ヶ崎夫人が副社長の叔母さまってことは圭史先輩と副社長はいとこ同士。
そう言われればどことなく顔も似ている。
「創介に虐められたらいつでもうちにおいで。望愛ちゃんなら大歓迎だから」
「もう、圭史先輩ったら」
ケラケラと笑いながら、私は子供の頃の自分を思い出していた。
あの頃、両親も周囲の大人たちも病弱で目が離せない美愛のことばかり気にしていた。
決して愛されていなかったわけではないけれど、元気で何でもできる私はいつも二番目だった。
そんな中で、私だけを見ていてくれたのが圭史先輩。
だからかな、私は圭史先輩が好きだった。
もちろん小さな子供の初恋でしかないけれど、忘れられない記憶だ。
「ずいぶん楽しそうだな」
「ああ、副社長」
いつの間にか目の前に創介副社長が立っていた。
それもなんだが機嫌の悪そうな顔。
もしかして会場で嫌なことでもあったのかしらと、不安になる。
「久しぶりに望愛ちゃんを見つけて声をかけたんだ」
嬉しそうに話す圭史先輩。
「望愛ちゃんね。知り合いだったのか?」
「ええ、子供の頃」
「俺は望愛ちゃんの王子様だから」
えっ。
子供の頃からの知り合いでと言おうとした私を遮った圭史先輩の言葉に固まった。