君にありがとう【詩】
あ、いた!
屋上に来た瞬間、ドアの隙間から、あたしが会いたくて止まない人がいた。
「真人せん……ぱい……?」
目の前の光景に、目を疑った。
すっごく綺麗な女の子が、真人先輩に抱きついていた。
髪で隠れているからか、先輩の顔が見えなかった。
けど、女の子の方は、うっとりするような顔をしていた。
あたしはその場の空気に耐えきれず、そのまま走った。
走って走って、走り続けた。
溢れる涙が、あたしの頬を伝った。