君にありがとう【詩】
「真人先輩!」
屋上に到着して、大声でそう叫んだ。
今、さっきの女の子はいない。
もう教室に戻ったのかな?
「あれ、詩ちゃん?どうしたの?」
不思議そうに首を傾げている先輩。
その姿だけでも、愛おしかった。
「伝えたいことがあって、来ました」
「そうなんだ?」
「あたし、先輩のことが……」
そこまで言って、深く深呼吸をした。
当たって、砕けちゃえ!
「好きです!」
たったの4文字。
だけど、すぐに伝わる言葉。
あたしの言葉の意味を理解した先輩は、顔を赤く染め上げた。