君にありがとう【詩】





「真人先輩!」



 屋上に到着して、大声でそう叫んだ。

 今、さっきの女の子はいない。

 もう教室に戻ったのかな?



「あれ、詩ちゃん?どうしたの?」



 不思議そうに首を傾げている先輩。

 その姿だけでも、愛おしかった。



「伝えたいことがあって、来ました」

「そうなんだ?」

「あたし、先輩のことが……」



 そこまで言って、深く深呼吸をした。


 当たって、砕けちゃえ!



「好きです!」



 たったの4文字。

 だけど、すぐに伝わる言葉。

 あたしの言葉の意味を理解した先輩は、顔を赤く染め上げた。




< 25 / 29 >

この作品をシェア

pagetop