君にありがとう【詩】
少しおどおどすると、彼は目に涙を浮かべながら話した。
「ち、違うんです。あまりに可愛いから、つい……くくっ」
か、可愛いですと!?
突然の可愛いに、あたしの顔は一気に赤くなった。
異性にそう言われたの、は、初めてかも……。
「えぇっと、制服が僕と同じなのと、困っているように見えたので、声を掛けさせていただきました」
笑いが収まったのか、丁寧に説明してくれた。
確かに、あたしとこの人の服装、一緒だ!
全然気づいてなかった。
「あの、あたし迷子になって……。一緒に学校行ってくれませんか?」