君にありがとう【詩】
「けどさ、お礼をもっとちゃんと言いたかったって思うんだよね」
学校に着いた瞬間、すぐに自分のクラスを確認したから、お礼を言うことを忘れていた。
どう考えても酷すぎだと思う。
なんであの時お礼を言わなかったんだろうと、自分が憎い。
「そっか、じゃあ上級生のクラスに行ってみる?」
「は?」
咲の突拍子もない言葉に、思わずポカンと口が開いた。
なに言ってるんだ?
この人。
「お礼、言いたいなら直接探しに行けばいいと思うけど」