イケメン双子の総長さまは孤独な姫を甘い愛で包み込む。
Lover3

暖かい愛情



「そ、そんなことが……」



音桜さんに私の人生とお母さんの全てを聞いて、何も考えられなくなった。


お母さんは政略結婚をしたせいで今も苦しんでいる……。私のことをちゃんと考えてくれていたんだ。


あまりにも衝撃的な事実で喉の奥がキュッと苦しくなる。涙が出るとかそんなんじゃない。


私は今運良く無事でこうしていることができてるけどお母さんはまだ皇家の中にいる。奴隷のような生活を送りながら。


……私だけ、こんなのうのうと生きていていいのか。お母さんを助けたい……。



「あ、あの……お母さんに会わせて下さい。私、お母さんのところに行きたいです!」


「聖奈?」


「聖奈ちゃん!?」



ぎゅっと拳を握り、顔を上げてほとんど無意識にそう言っていた。私が今あの家に行ったら危ないのはわかってる。


でもどうしてもお母さんに会いたい。


会って、顔を見たい。



「……それは、無理でしょうね。萌奈は滅多に外に出ないし、使用人ですら顔を見たことがない人が多いもの」
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