イケメン双子の総長さまは孤独な姫を甘い愛で包み込む。
「聖奈ちゃん……辛い思いをさせてごめんね。実琉も、私もしっかり聖奈ちゃんを見守るから、少しの間……ここで暮らしてほしいの」
音桜さんはそっと私の頬を撫でると柴崎くんごと抱きしめる。優しくて柔らかい手。
私……ここにいてもいいのかな。お母さん、許してくれるかな。
もう少しだけ、こうしていたい。
「聖奈。お前のことは俺たちが全力で守る。お母さんのことも助けてやる。だから……思いっきり甘えろ。愛されろ。みんな聖奈のことが好きなんだ」
「……ありが、とう……ありがとう……」
そうして私は柴崎くんの家で暮らすことを決意した……。
***
「聖奈、落ち着いたか?」
「う、うん……ごめんね、何回も取り乱して……」
あれから何時間たっただろう。外はすっかり暗くなって冷え込んでいる。
私はあれからまた涙が止まらなくなってしまい、用意されていた私の部屋へ案内された。そこで落ち着くまで柴崎くんと柚月がずっとそばにいてくれた。