イケメン双子の総長さまは孤独な姫を甘い愛で包み込む。
ふたりがそばに居てくれると安心して、ようやく涙がおさまった。
自分でもあんなに取り乱すなんて思わなかった。
「なぁ、これからはもっと俺たちに甘えろよ」
「え?」
落ち着いた私の頭にぽん、と手をのせると顔をのぞき込む柴崎くん。大きな手が私の頭を優しく包み込む。
そのせいでさっきからドキドキと心臓が騒がしい。
ドアップになった柴崎くんの顔。近すぎて思わず顔が熱くなる。ち、近い……。
「そうだよ!兄さんだけじゃなくて僕もNIGHTMAREのみんなも周りには聖奈ちゃんのことが好きな人、たくさんいるんだから!もっと素直に甘えて!」
「柚月……、柴崎くん……」
ドキドキと騒がしい心臓を誤魔化すように2人を交互に見る。頼もしいその瞳は私のことをしっかりと見てくれていた。
瞳の中に私がちゃんとうつっている。
こんな、幸せでいいんだろうか。
私は、幸せになっていいんだろうか……。