イケメン双子の総長さまは孤独な姫を甘い愛で包み込む。
「「おはよう」」
2人は顔を見合わせると声を揃えてそう言った。その声に胸に暖かい何かがじんわりと広がっていく。
「うん!おはよう!」
私はにっこりと微笑んで2人におはようを返した。
「おはようー」
「おはよう!」
学校について靴を履き替える。数日前だったら考えられないくらいの心地良さで廊下を歩いていた。
学校なんて来る意味もない場所。
みんなは私のことなんて空気な存在しか思っていない。だけど今は違う。私にはとても心強い“仲間”ができた。
不安なことが多いけどそんなことを吹き飛ばしてしまうくらい、ふたりの存在は大きかった。
「えーっと……屋上、屋上……っと」
私は教室にカバンを置いてから屋上へ向かう。
目立つことが苦手な私は学校でふたりとは別行動することになった。
柴崎くんはずっと隣にいるって言ってくれたけどさすがに学校でもふたりといるのは目立ちすぎて私の気持ちが待たないと思った。