イケメン双子の総長さまは孤独な姫を甘い愛で包み込む。

「やべー……破壊力ハンパない……可愛すぎんだろ」


「ん?」



数秒の沈黙の後柴崎くん……いや、柚琉……がボソリと何かをつぶやいた。ようやく顔から手が離れてほっと胸を撫で下ろす。


だけどちょっと寂しい……。


……なんで寂しいの……?


無意識に出た感情に疑問を持った。好きとか寂しいとか今日の私、なんかおかしい……。



「いや、なんでもねー。ありがとうな。これから名前呼びでよろしく」



不思議な自分の考えをなかったことにしたくて顔を上げる。それと同時に柚琉が私の頭にぽん、と手を乗せた。


その手で私の頭をグリグリと撫で回す。



「ちょ、やめてよー」


「ははっ。じゃー、帰るか」



柚琉の隣にいると安心する。


気持ちが落ち着く。


このふわふわした気持ちはいったいなんだろう。私はそっと胸に手を当てながら帰り道を歩いていった……。



***
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