イケメン双子の総長さまは孤独な姫を甘い愛で包み込む。

ビニール袋を腕にぶらさげボソリとつぶやく。


夜のスーパーは貧乏人にとって最高の場所。お野菜やお惣菜など安く手に入るからとてもありがたい。


私の財布の中にある小銭だけでも少しいいお惣菜が買えた。今日はちょっといい気分。


だけどそれでも今の私には生活はカツカツ。


もっとバイトのシフト増やしてもらおうかなぁ……。


なんて思いながら角を曲がった。


その時。


ードカッ!!


狭い道にそんな鈍い音が響いた。私はびっくりして立ち止まる。目の前には人が……壁に強く当たっている!


一瞬何が起こったのか分からず、今の状況を理解するのに時間がかかった。



「おい、もう終わりか?」



その場で固まっているとぞくりとする程冷たい声が聞こえた。



「はぁ……まだ、終わって、ねぇ……よ!」



投げ飛ばされた人が弱々しく立ち上がると奥に向かって走り出す。
< 12 / 227 >

この作品をシェア

pagetop