イケメン双子の総長さまは孤独な姫を甘い愛で包み込む。
ビニール袋を腕にぶらさげボソリとつぶやく。
夜のスーパーは貧乏人にとって最高の場所。お野菜やお惣菜など安く手に入るからとてもありがたい。
私の財布の中にある小銭だけでも少しいいお惣菜が買えた。今日はちょっといい気分。
だけどそれでも今の私には生活はカツカツ。
もっとバイトのシフト増やしてもらおうかなぁ……。
なんて思いながら角を曲がった。
その時。
ードカッ!!
狭い道にそんな鈍い音が響いた。私はびっくりして立ち止まる。目の前には人が……壁に強く当たっている!
一瞬何が起こったのか分からず、今の状況を理解するのに時間がかかった。
「おい、もう終わりか?」
その場で固まっているとぞくりとする程冷たい声が聞こえた。
「はぁ……まだ、終わって、ねぇ……よ!」
投げ飛ばされた人が弱々しく立ち上がると奥に向かって走り出す。