イケメン双子の総長さまは孤独な姫を甘い愛で包み込む。
お願い……誰か、助けて……。
「聖奈!」
「聖奈ちゃん!」
顔を覆ってひたすら下を向いていると後ろから聞きたい声が聞こえた。
まさか……。
「柚琉……柚月……!」
顔を上げて後ろを振り向く。するとものすごい勢いで柚琉と柚月が私を抱きしめる。
ぎゅうっと力強く、優しく包み込むように。
2人のぬくもりを感じて、安心した。
浅い呼吸が、だんだんと落ち着いてくる。
「柚琉、柚月……なんで、ここに……?」
「獅子堂と一緒にこっちに迎えに来てたんだ。だけどなかなか聖奈が来ないから……良かった、無事で」
私の顔を見ると安心したように微笑む柚琉。
その表情を見てドキンと心臓が跳ね上がる。柚月も私のことを見てほっとしていた。
「聖奈ちゃん、大丈夫?何もされてない?」
「う、うん……大丈夫」
柚月が私の上半身をぺたぺたと触る。
まるで壊れ物を扱うかのように。