イケメン双子の総長さまは孤独な姫を甘い愛で包み込む。

笑っているのに笑ってないみたい。



「別にそこまでしなくていい。こいつからは話を聞かなきゃいけないしな。とりあえずそのしぐさやめろ。聖奈が怖がってる」



柚琉は真嶋を一瞥すると獅子堂さんの肩をぽんとたたく。


あ……怖がってるの、気づいてくれてたんだ。



「……それもそうですね。ではこの方は車の方に……」


「おい、少し下がれ」



獅子堂さんと柚琉が話しているのを聞いていると道の奥からコツン、コツンと別の足音が聞こえる。


それは1人だけじゃない。


複数人のもの。



「聖奈ちゃん、僕の後ろにいて」


「う、うん……」



ただ事じゃないとわかった私とみんなは少し後ろに下がる。なんだか足に力が入らない。


道の奥の方から、殺気立ったオーラを感じる……。


不安になって柚月の手をぎゅうっと握る。それに反応するように柚月が強く握り返してくれた。
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