イケメン双子の総長さまは孤独な姫を甘い愛で包み込む。
「おやおや。ずいぶんと私の可愛い弟子を無惨な姿煮してくれましたねぇ……柴崎兄弟」
ーゾクッ!
街頭の光が当てられて、ようやく相手の顔を見ることができた。だけどそれ以上に背筋が凍る程の冷たい声に冷や汗がとまらない。
そして、その声の持ち主を見て、さらに息をするのを忘れる。
「皇、賢太……なんでお前がここに」
「歳上に向かって生意気な口ですね?そこにいる執事さんに生活指導してもらっているはずなのでは?」
そう。
暗闇から現れたのは皇賢太だった。テレビで見るより威圧感のある顔。面長の顔に、まるで人を殺めるような瞳。
そして服装は和服。
「お前に敬語なんて使う義理はない。お前の狙いはなんだ?」
柚琉が慎重に会話をしている。相手を怒らせないように、慎重に。
私の心臓はバクバクと激しく脈打っている。
この人が、私の父親……。
「わかっているでしょうに。そこのお嬢様……私の娘をもらいに来たんですよ」