イケメン双子の総長さまは孤独な姫を甘い愛で包み込む。

……今、何が起こったの……?



「……うがぁ!」


「きゃぁぁぁ!」



ドサッという音と共に先程走り出した人が目の前で倒れた。こんな短い時間に2回も倒れるなんて、いったい何があったの!?


倒れた姿は無様で、あちこちから血が流れている。


顔も腫れていてとても痛々しい。


暗がりでもこんなのだから多分明るいところではもっと酷い怪我なのだろう。



「ちっ……もうくたばったか。もっと楽しませろよ……な……って、は?」



ガタガタと震えていると奥からさっき聞こえた同じ声の人物画歩いてくる。目の前の人を見下すとようやく私の存在に気づいたらしい。


私だって驚いた。


だって……だって、そこに居たのは……



「柴崎、柚琉……」



今日学校で拾った学生手帳の人物とピッタリ一致したから。見覚えのある顔立ち。


写真でも綺麗だなと思っていたけど実物はもっとイケメン。髪は漆黒の闇に溶け込んでしまいそうなほど黒くてストレート。
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