イケメン双子の総長さまは孤独な姫を甘い愛で包み込む。
壊れそうな笑顔【柚琉side】
皇賢太が現れた。
その事実が頭の中でぐるぐると回っている。ついさっきの出来事。アイツは聖奈を連れ戻しに来たと言っていたが、俺たちにはいっさい手を触れずに去っていった。
奴らはいったい何が目的なんだ?
なんで、わざわざ忠告しに来た?
頭の中で分からないことが多すぎてパンク寸前。今回はたまたま獅子堂と迎えに行っていたから良かったものの、聖奈1人だったら完全に連れ去られていたことだろう。
こんなことになるとは思わなかった。
それに……聖奈は部下のひとりと知り合いのような雰囲気を出していた。
どこで知り合った?
どこの誰なんだ?
「……くっそ、分からねぇ……」
考えても出ない答えにイライラを募らせるばかり。こんなことをしていたってしょうがない。情報屋の愛魅に相談するか。
「んっ……」
「兄さん、静かにして。聖奈ちゃん起きちゃうよ?」