イケメン双子の総長さまは孤独な姫を甘い愛で包み込む。
「つきました。どうぞ」
「ああ。悪いな」
しばらく走ると家につき、獅子堂がドアを開ける。俺はまだ眠っている聖奈を抱えながらゆっくりと降りた。
聖奈の小さな手が俺の服を握っている。
……可愛すぎ……。
「ゆ、柚琉!柚月!」
「大丈夫か?」
玄関まで歩くと母さんと父さんが勢いよく出てくる。2人とも心配そうに俺たちを見ていた。
「静かに!聖奈ちゃん起きちゃう!話はあと。とりあえず兄さん、聖奈ちゃんを部屋に運んであげて」
聖奈を庇うように割って入ったのは柚月だった。
こいつが間に入るなんて珍しいな。よっぽど今回の出来事が気に入らなかったのだろう。いつも人任せなのに柚月から怒りのオーラが見える。
「わかった。母さんたち、後で話すからリビングで待っててくれ。獅子堂、愛魅たちに至急連絡を。明日にでも集まってもらうように言っといてくれ」
「承知致しました」