イケメン双子の総長さまは孤独な姫を甘い愛で包み込む。

ここまで怒っている柚月を見るのは久しぶりだ。


俺だって同じ気持ちだ。聖奈の苦しむものを全て取り除きたい。思いっきり自分のことを愛せるようにしてやりたい。


聖奈を、甘く包み込んでやりたい。



「……そうだな。俺も同じ気持ちだ。だけどこれは俺たちだけじゃ解決出来ない。NIGHTMAREのメンバーにも協力をしてもらわないといけない。この意味、わかるか?」


「わかってる。僕もできることは何でもする。だけど……」



柚月はそっと聖奈の頭をなでる。



「聖奈ちゃんや兄さん、仲間を危険に晒したくない。これだけは約束して。自分のことをちゃんと大切にして」


「……ふっ。それ、前総長の言葉だな。安心しろ。みんなを守りながら、解決してみせる」


「そう来なくっちゃ!」



柚月と拳を合わせる。


この感じ、いつぶりだろうな。いつもケンカで終わるけど今回ばかりはそうはさせない。俺たちの成長を見せる時だ。
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