イケメン双子の総長さまは孤独な姫を甘い愛で包み込む。
***
翌朝。
昨日は母さん達に事情を話して終わった。あれから聖奈の顔を見てないけどちゃんと起きているだろうか。
獅子堂が先に様子を見に行ったがまだ寝ていたらしく、表情は見えなかったそう。
俺は聖奈の部屋の前で深呼吸をし、ゆっくりドアをノックする。
ーコンコン。
「……はい」
起きてる。部屋から消え入りそうな聖奈の声が聞こえた。その声を聞いてドクッと心臓が苦しくなる。
「入るぞ」
覚悟を決めてドアを開ける。
ドアを開けた瞬間、聖奈がいるはずなのにどこかに消えてしまったかのように弱々しく、ベッドの上で座っていた。
「柚琉……おはよう」
俺を見つけると無理やり口角をあげて笑う。
だけどその笑顔は全然笑えていなくて、頬が引きつっていた。まるで俺と出会った頃の聖奈に戻ったみたい。
「……大丈夫……じゃないよな」
「ううん、大丈夫。昨日はごめんね。取り乱しちゃって。柚月にも謝っといて?」