イケメン双子の総長さまは孤独な姫を甘い愛で包み込む。
芽生え始めた恋心
「はぁ……」
電気もつけず、カーテンも開けていない、薄暗い部屋でひとりため息をつく。
学校を休んで数日がたった。
あの日……皇賢太が現れてから私の気持ちが沈んだまま。みんな心配してくれているけど一向に気持ちは晴れなかった。
最近は毎日が楽しくて仕方なかったのに、今では息をするだけで精一杯。
あの恐怖から、抜け出せずにいた。
なんで、あのバイト先で皇賢太に見つかったのか。なんで、真嶋颯が“あちら側”なのか。未だに全てが謎。
柚琉や柚月ともろくに口を聞いてないし、情報が掴めていないのが現実。
どうしたらこの暗い気持ちから覚めるのだろうか……。
真嶋颯とは面識があった。彼は私と同じ孤児院出身。毎日顔を合わせていて、彼が私に……恐怖の感情を植え付けた張本人だ。
少年院に入ったと聞いていたからもう会わないと思っていたのに。なんで、こんな再会をすることに……。