イケメン双子の総長さまは孤独な姫を甘い愛で包み込む。
どうしよう、どうしよう!
本日2回目のピンチ。今日はとことんついてない!
「兄さんー!決着ついたー?早く帰ろうよ……」
ダラダラしていると奥からもう1人出てきた。私はハッとしてそっちに顔を向ける。
や、やばい。
「あれー?君は放課後の可愛い子!なんでここにいるの?」
私が気づくよりも先に向こうが私に気づいた。柴崎弟は私の顔を見ると何故か笑顔になる。
「兄さんこの子と知り合い?」
「いや、さっき初めて見た。コイツが倒れた先にいたっぽくてケンカしてるところを見られた。お前こそ知り合いなのか?」
「そうそう。知り合いってほどでもないけど今日の放課後ちょっとねー。ってか同じ学校なんだよ!?」
楽しそうに話す弟は無邪気で相変わらずというかなんというか。放課後のイメージと同じで拍子抜けする。
この状況に合っていないテンションで話しているもんだからこっちがヒヤヒヤした。