イケメン双子の総長さまは孤独な姫を甘い愛で包み込む。

僕だって聖奈ちゃんを見つけた時、初めての気持ちばかり経験した。


ドキドキすること、聖奈ちゃんを守りたいと思ったこと、その笑顔が僕の心臓を鷲掴みにした。


聖奈ちゃんが、全部初めてなんだ。


なのに……



「きゃー!柚月様よー!相変わらずかっこいい……」


「柚月様!こっち向いてください!」



聖奈ちゃんに出会う前の僕は手当り次第に女の子に手を出していて、今も鬱陶しく付きまとわれている。


ほんの少しの気の迷いだった。


恋をしているはずなのに満たされない。


初恋は楽しいってよく聞くけどそんなの嘘。ましてやライバルが兄さんだなんて勝てっこない。


なんで昨日あんなこと言ったんだろう。


なんで、聖奈ちゃんの気持ちを奪えなかったんだろう……。



「ごめんねー。今日はちょっと気分じゃないからどいてくれる?」



イライラが増していつもは言わないことを言ってしまった。
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