イケメン双子の総長さまは孤独な姫を甘い愛で包み込む。
「聖奈ちゃん……え……」
聖奈ちゃんを見つけてさっきまでのイライラは無くなった。その変わりにドキドキと心臓が騒がしくなる。
ほら、聖奈ちゃんはすごい。
僕の心を一瞬にしてピンク色にしてしまうのだから。
だけど声をかけようと顔を出した瞬間、思わず体を引っ込める。
だってそこに居たのは。
「ああ。困ったらなんでも言え。聖奈はもっと甘えてもいいんだからな」
「ふふ。もう、柚琉ったら……ちょっと……」
兄さんだった。しかも聖奈ちゃんを抱きしめている。それを見て息が止まりそうになった。
今までだったら悪ふざけみたいな感じで大袈裟にやってるけど今のはいつもと違った。
まるでこわれものを扱うよかのように、優しく抱きしめていた。
聖奈ちゃんも怒るはずなのに今は素直に兄さんの腕の中にすっぽりと収まっている。
聖奈ちゃんと兄さんって……。