イケメン双子の総長さまは孤独な姫を甘い愛で包み込む。
嫌な予感が頭の中をよぎった。それ以上兄さん達を見ていられる自信がなかった。
僕はそっとその場から離れて、涙をグッとこらえる。初恋ってこんなに苦しいものだったんだ。
先に恋をしたのは僕なのに兄さんに負けそうだなんて。聖奈ちゃんのことは2人で守っていこうと決めたのに。
こんなことになるなら……好きにならなければ良かった。
「……くそっ!」
チャイムが鳴り響く廊下。僕は悔しい思いを、拳にぶつけた……。
***
あれから数日がたった。
兄さんと聖奈ちゃんは相変わらず距離が近くて、たまに僕が置いてかれる。NIGHTMAREのみんなとも随分と仲良くなっていて、前より結束力が高まっていた。
「ねぇ、柚琉。これ可愛いよね」
そんなある日の夕方。
みんなで集まって今後のことを詳しく決めようって話し合いをすることになり、みんなでアジトに集まった。