イケメン双子の総長さまは孤独な姫を甘い愛で包み込む。
最近は皇組も、ほかの暴走族のチームも大人しいからあまり集まることはなかったけど兄さんと獅子堂が決めたことらしい。
僕もそれに賛同してここにいるわけだけど……。
「ああ。可愛いな」
隣にいる兄さんと聖奈ちゃんの会話が気になりすぎて全然話し合いに集中出来ない。
更には頭ポンポンまでしちゃってるし!
「ちょっと、兄さん!僕の聖奈ちゃんを取らないで!聖奈ちゃん、こっちにおいで!」
この空気に耐えられなくなった僕は思わず声を上げた。こんなこと普段ならみっともなくて言えないけど我慢できなかった。
いや、兄さんと聖奈ちゃんが関わっている時は無意識に言っているかもしれない。
それくらい、聖奈ちゃんに対しての気持ちは焦っていた。
「あ?いつ聖奈がお前のものになったんだ。とっとと離れろ」
「兄さんは黙ってて!」
聖奈ちゃんに抱きつきそうな僕を無理やり押し倒す。