イケメン双子の総長さまは孤独な姫を甘い愛で包み込む。
ソファに投げ出された僕はきっと兄さんを睨みつけた。いつもならここで兄弟喧嘩は終わるけど今日は違った。
先に抜けがけしたのはそっちなんだからもう容赦しないよ。僕は僕のやり方で聖奈ちゃんを振り向かせるんだ。
「おいおい。いつにも増してやけじゃないか。どうしたんだ?柚月。少し落ち着け」
「柚月、どうしたの?なんか、柚月じゃないみたい……」
悔しさに打ちのめされていると向かいのソファに座っている愛魅くんと聖奈ちゃんになだめられた。
キョトンとする聖奈ちゃん。
僕はその表情を見て冷静になった。あれ……聖奈ちゃん、なんか表情が変わった?
なにかに怯えてるような……。
「おい、柚月。お前最近焦りすぎだ。ちょっとは頭冷やしてこい。獅子堂と俺で話し合いを進めるから、外に出てろ」
「……っ!」
「柚月!?」
兄さんは僕を睨むとそう言い放った。僕はこの空気に耐えきれなくて無言で外に出る。