イケメン双子の総長さまは孤独な姫を甘い愛で包み込む。
「ふふ。柚月、ここの河原の景色、好きだもんね。前から知ってたよ」
「……」
何も言ってないのに僕の顔を見て微笑む。聖奈ちゃんには全部お見通しってわけか……。本当、叶わないなぁ……。
聖奈ちゃんはそっと僕の隣に来ると腰を下ろす。
さわさわと流れる川の音を聴きながら、遠くを見つめていた。
「最近、柚月……様子おかしかったから。なんでかなぁって思ってたの」
沈黙の後、言葉を発したのは聖奈ちゃんの方だった。様子がおかしいという言葉にドキッとする。
「私、バカだから考えてもわかんなくて。柚月の口から、教えてくれると嬉しい。私がなにかしちゃったんなら謝るし、悪いところは直す。だから……前の優しい柚月に戻って欲しいな……」
寂しく笑う聖奈ちゃん。
その笑顔を見て耐えきれなかった。僕はぎゅっと聖奈ちゃんを抱きしめて、ただひたすら謝った。
「ごめん……聖奈ちゃん。ごめんね」