イケメン双子の総長さまは孤独な姫を甘い愛で包み込む。
レジ打ちが終わって頭を下げて、お客様を見送ったあと店長に呼ばれて顔を上げる。
時計を見てみると私のバイトが終わる時間だった。
「はい!ありがとうございます!お疲れ様でした!」
「柴崎家によろしく伝えてね」
「はい!」
最近はバイトが楽しくてあっという間に時間がすぎていく。前はあんなにバイトに行くのが怖かったのに……。
柚琉たちのおかげかな。
私は柚琉たちを待たせないようにと早く着替えて、外に出る。
ここのバイトは、柚琉に勧められてはじめた。前のところはまた皇組が近づいてくるかもしれないからとやめた。
私もその方がいいと思ったし、何よりもうあんな怖い思いをしたくなかった。
「お疲れ様」
「柚月、柚琉!獅子堂さん!」
着替えを終えて外に出るとお店の入口にいつもの3人が揃って出迎えてくれた。
この光景を見ると安心して、今日が終わったんだなって思える。