イケメン双子の総長さまは孤独な姫を甘い愛で包み込む。
その変わり、柚月は前よりも大人しくなってしまい無言で少し離れた場所に座っている。
これが柚月から告白されて大きく変わったことかな。前だったら柚琉と言い合いをしていたけどそれが無くなった。
「それでは出発します」
柚琉の隣に座り、ドキドキとしていると獅子堂さんの言葉で車が発進する。
車の中にいる間、柚琉は何故かずっと手を握ってくる。大好きな、大きな手。緊張するけどそれが心地いい。
バイトの場所から家まで約20分。
まったりとした時間が流れ始めて、だんだんと眠くなってきた。
柚琉の隣だと落ち着くなぁ……。
少しだけ目を瞑っていよう。
そう思ってまぶたを下ろした。その時、
ーバンッ、バンッ!
「うわぁ!」
「何事だ!」
「きゃぁぁぁ!」
外からものすごい音がしたと同時に車が横に流れていき、強い衝撃が体を襲った。
咄嗟に柚琉の手をぎゅっと強く握る。