イケメン双子の総長さまは孤独な姫を甘い愛で包み込む。
「何が起こった!」
「分かりません。ただ、銃撃のような音がして、おそらくタイヤがパンクしたのだと思います」
私の心臓はバクバクと激しく脈打っていて、今にも吐きそうなくらい気持ち悪かった。
この銃声の音、どこかで聞いたことがある。
でもいったいどこなんだろう。
「聖奈!大丈夫か?」
「大丈夫……ちょっと、びっくりした、だけ……」
獅子堂さんと柚琉が話終わり、私を抱きしめる。大丈夫じゃないけど心配かけないようにしなきゃ。
だけど自分の声が思ったよりも弱々しくて、小さかった。こんな声じゃあ説得力ないよ。
「聖奈ちゃん!大丈夫、僕たちが守るから!」
「柚月、みんなに連絡しろ。あと警察にも。その辺の連絡手段は愛魅に任せる」
「了解!兄さんは聖奈ちゃんを守って!ここは危険だからとりあえずどこかに……」
ーバンッ!
「きゃぁぁぁ!」
「聖奈!落ち着け!」