イケメン双子の総長さまは孤独な姫を甘い愛で包み込む。
「な……んで……ここに」
「それは秘密です。それでは私と一緒に行きましょう。聖奈お嬢様」
「い、いやぁぁぁ!」
柚琉がぎゅうっと強く抱き締めてくれるけどだんだんと近づいてくる真嶋颯に恐怖の震えが止まらない。
やめて……やめて、お願い、だから……。
「そこをどきなさい。柚琉さん?」
「絶てぇどかねぇ。柚月、獅子堂!やれ!」
「「了解!」」
目を瞑っているせいで今何が起こってるか分からないけど、ピリついた空気から、3人の声がきこえる。
そっと顔を上げると……
「聖奈、大丈夫だから」
優しく微笑む柚琉がいる。
その笑顔を見るだけで、緊張が少し和らいだ気がした。
「柚琉……」
「うがぁ!」
柚琉の笑顔に安心していると、誰かの悲鳴がきこえる。それは聞き覚えのないもので、今、目の前で……柚月が、倒れた。
「柚月!獅子堂さん!いやっ……起きて!」