イケメン双子の総長さまは孤独な姫を甘い愛で包み込む。
「お前、あんまり驚いてないな。さすが柴崎家の御曹司様だ」
「あ?見りゃわかるだろ。十分驚いてるよ」
目の前では黒ずくめのごつい人物達が言い争っている。正直あまり怖くは無いが、言い争われると面倒だ。
はぁ、とため息をついて、冷静に今の自分の状況を確認する。
ここは畳部屋で、俺の手足は拘束されている。目が覚めた時は無理やりとこに寝かされていた。
おかげで体が痺れている。
……なるほど、つまり聖奈とは別の部屋に閉じ込められているってわけだ。
「……なぁ」
「あ゙?」
「俺の仲間はどこにいる?」
当たりを見渡し、状況を確認するも獅子堂と柚月の姿が見当たらない。
2人とも聖奈と同じように別の部屋で捕まっているのか?
「ああ、お前の双子の弟と執事のやつか?さぁ、俺は知らねーよ。お前のことだけ引き取れって言われたからな」
たんたんと話すこいつは嘘をついていなさそう。