イケメン双子の総長さまは孤独な姫を甘い愛で包み込む。
柴崎くんの後ろでビクビクしていると前からため息が聞こえた。
うっ……本当に大丈夫なのだろうか……。
「ったく、ちゃんと掴まっとけよ。じゃないと振り落とされるからな!」
「は、はい!」
ブォンブォンという激しいエンジン音とともに柴崎くんの声が響く。私はもう考えるのをやめて柴崎くんの腰の辺りにぎゅっと力を込めてしっかり掴まる。
その瞬間、柴崎くんが少しビクッとしたような気がした。
なんだろう、と思って前を確認しようとしたけど……
「行くぞ」
「きゃぁぁぁ!」
勢いよくバイクが走り出した……。
***
何分くらいバイクで街中を走っただろうか。
おそらく数分だったと思うけどバイク初体験の私にとってはとても長く感じた。
「ほら、ついたぞ」
「あ、ありがとう……」
「早くしないとみんな帰っちゃう!みんなに紹介したいから早く行こう」