イケメン双子の総長さまは孤独な姫を甘い愛で包み込む。
俺は笑いが込み上げてきそうなのを必死でこらえる。なんで皇組は俺たちを相手にするかな。
今までの俺たちの活動、なめんなよ!
「ぐはぁ!」
胸ぐらを掴んでいた手が緩んだ時、障子のドアの向こうから誰かの悲鳴がきこえる。
……やっときたな。
「おい!何事だ!……うがぁ!」
「総長ー!やっと見つけたぁ!」
パッと手を離してドアを開けた瞬間、ソイツもやられていた。そしてドアから顔を出したのは……
「大輝!遅いぞ!」
「しょうがないでしょー。柚月くんに急に呼ばれて、資料とか見る余裕なかったんだもん!どこにいるのか必死で探したよー」
俺は見逃さなかった。ドアの向こうに人影が見えたのを。そしてその人影とは、俺の仲間の……神楽大輝だった。
柚月の連絡は無事に間に合ったみたいで、ここまで駆けつけてくれた。俺の言葉にむぅ、とむくれる大輝。
だけどこんなガタイのいい男二人をあっという間に倒してしまうのだから、人は見かけによらない。