イケメン双子の総長さまは孤独な姫を甘い愛で包み込む。
こんな奴らの相手してる暇はない。
だけど片付けなければ聖奈に近づけない。悪循環すぎる。
「おりゃぁぁ!」
「きゃぁぁぁ!」
あちこちから悲鳴が聞こえる。握る拳に力が入り、手当り次第に急所を打っては意識を失わせる。
暴走族といっても、俺たちは争いは好まない。
仲間を助けるためだけに、この拳を使うと決めている。
「兄さん!お待たせ!」
「総長、俺らも参加するぜ!」
ひたすらに戦っているといつの間にか柚月がいて、周りにはNIGHTMAREのメンバーが揃っている。
「お前、どこいってたんだよ!」
「ちょっとね!そんなことより、兄さんは聖奈ちゃんの所へ行ってあげて!」
ドカ、バキッと鈍い音が部屋に響く中、必死で訴える柚月の声。
はっとして聖奈の方を見てみると、真嶋颯に手首を掴まれ、どこかへ連れていかれそうになっている。