イケメン双子の総長さまは孤独な姫を甘い愛で包み込む。

勇気をください



……深い深い、夢の中。


ふわふわと体に力が入らなくて、まぶたも上がらない。あれ……私、どうしたんだっけ。


確か柚琉達に迎えに来てもらってそれで……。


そこまで考えてはっと意識を取り戻す。そうだ、私たちは皇賢太に襲われたんだ。


重たいまぶたをそっと開けると、そこには見慣れない景色が広がっている。大きくて広い畳部屋。私の周りにはたくさんの人だかりができていて、何やら話し込んでいる。



「ここは……どこ?」


「あ、お嬢様がお目覚めになった。早くボスへ知らせろ」



やっとの思いで顔を上げる。


まだぼーっとする頭を必死で働かせて、この状況を把握しようとする。



「本当に綺麗な娘さんだ。あの母親の遺伝を強く持ったもんだ」


「おい、そんなこと言ったらボスに目をつけられるぞ。身の程を知れ」



目の前で繰り広げられている光景にキョトンとする私。そこには黒ずくめの男達がいて、私のことを見張っているようだった。
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