イケメン双子の総長さまは孤独な姫を甘い愛で包み込む。
「あら、少しは様になるじゃない。さすが若様ね」
私はそっと目を開けて、鏡の中の自分を凝視する。そこに写っていたのは白い着物を身にまとった私がいた。メイクも上手に施されていて、本当に結婚式の準備をしているんだと悟った。
綺麗な着物を着ているはずなのに私の表情は暗くて、光を失っていた。
まるで柚琉達に出会う前に戻ったみたい。
「さぁ、披露宴が始まります。行きましょう」
そう言われて、私はそっと立ち上がる。
もういいや。諦めよう。これ以上柚琉やNIGHTMAREのみんなに迷惑をかけたくない。これは……私の運命なんだ。
「柚琉……柚月……」
「静かになさい」
もう、私は……逃げられない。
ドアを開けて案内される。ぼーっとしながら廊下を歩いていると中庭の方からガサッと音が聞こえた。
その音を聞き逃さなかった。
もしかして……柚琉!?
そんなわけないのに、期待してしまう。まさか……ね。