イケメン双子の総長さまは孤独な姫を甘い愛で包み込む。
ほっと胸を撫で下ろすけど、真嶋颯はちっと舌打ちする。この状況が面白くないのだろう。
表情もどんどん険しくなっていく。
「おい、行くぞ!」
「きゃ!」
ここから早く出るぞと言わんばかりに私の腕を乱暴に掴むとドアまで行き、部屋を後にする。
「聖奈!」
「柚琉ぅぅ!」
私たちの後に、柚琉がドアを勢いよく開けて、追いかけてきてくれた。
私は柚琉の名前を叫ぶと手を伸ばす。
一度離してしまった大好きな手。
また、温もりを感じたい。
柚琉も手を伸ばす。私も思いっきり手を伸ばして……ぎゅっと柚琉の手を、握りしめた。
ああ、神様。
どうか、もう一度だけチャンスをください。二度とこの大好きな手を離したりしません。
だから……私に、勇気をください。
「あ、おい!」
「柚琉!」
私は、もう片方の手を振り下ろすとあっさりと離れた。その隙をみて……私は柚琉の腕の中に、飛び込んだ。