イケメン双子の総長さまは孤独な姫を甘い愛で包み込む。

さっきまでは商店街だったのに今目の前にあるのは大きな倉庫のような……大きな家。


そこに入ろうとするもんだからびっくりして足を止める。


柴崎弟がまた訳の分からないことを言ってきた。



「わ、私お姫様じゃないよ!そもそもふたりとは今日初めて話したじゃないですか。そ、そういうの恥ずかしいから……やめてください」



お姫様なんて私から1番遠い物語の主人公。


小さい頃は憧れていたけど今ではもう憧れることも申し訳なくなるほどみすぼらしくなってしまった。


こんな自分は嫌いなのに。


余計なことはしないでよ。



「おい、嫌がってる。早く中に入るぞ」


「ちぇー。とっても可愛いのに。僕は最初から目をつけていたんだよー」


「そんなことはどうでもいい。おい、お前もついてこい」



対応に困っていると意外にも柴崎くんが止めに入ってくれた。


その事に驚いてまた何も言えなくなる。
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