イケメン双子の総長さまは孤独な姫を甘い愛で包み込む。
はぁはぁと勝手に息が切れる。こんなふうに自分の思いを話したのは初めてかもしれない。
いつもだったらスルーして、自分の気持ちを抑え込むのに、それが出来なかった。
「なっ……」
私は、きっと真嶋颯を睨みつける。
反論すると思っていなかったのか、放心状態で私を見ていた。
……パチ、パチ……。
そんな真嶋颯の後ろから、ゆっくりと手を叩く音がした。そしてだんだんと近づいてくる足音。
「いやぁ、さすがです。愛の重さ、しっかりと伝わりました」
「皇、賢太っ」
廊下の奥から出てきたのは……皇賢太だった。
私は思わず柚琉の後ろへ隠れる。シン、と静まり返った廊下には、ピリッとした空気が流れる。
「相変わらず怖い顔をしていますねぇ。柴崎柚琉さん」
「お前にニコニコするわけねぇだろ。聖奈には指1本触れさせねぇから」
「おやおや。また、振り出しに戻ってしまいましたか。お前は一体今まで何をやってきたのです?」