イケメン双子の総長さまは孤独な姫を甘い愛で包み込む。
私を守るように、柚琉は腕を後ろに回す。
「申し訳ありません。ちょっと気を許したすきに……」
「これだから孤児院育ちは!恥を知りなさい!私の娘を取り返せとあれほど言ったのに、なんで言うことひとつ聞けないのですか!」
ーバシンっ!
後ろからそっと顔を出すと、皇賢太は今まで以上に低い声で真嶋颯を怒鳴りつけていた。そして、その右手で、目の前の頬を殴りつける。
更には、足で真嶋颯を蹴ると、ドサリと倒れ込んでしまった。
その光景を見て、息を飲む。
「なんとか言ったらどうです?」
「申し訳……ありません……」
さっきまで憎しみしかなかったのに、カタカタと小刻みに震える真嶋颯を見て、以前の私と姿を重ねた。
真嶋颯はずっと皇賢太に怯えていたのかもしれない。
「聖奈、見るな」
「謝れば済む話じゃありませんよ。さぁ、娘を取り返してください」