イケメン双子の総長さまは孤独な姫を甘い愛で包み込む。
私のことを指さす皇賢太。
その目は獲物を見るような目で、逃がさないと言わんばかりに仁王立ちで、廊下を防いでいた。
「ちっ。厄介だな。……聖奈、少し後ろに下がっていてくれ」
「う、うん……」
何を思ったのか、柚琉は1歩前へ出る。そして……
ーバンッ!
皇賢太に向けて、拳を振り上げた。その拳は見事皇賢太の顔面に直撃。鈍い音が、廊下に響いた。
「……がはぁ!」
「ふんっ。仲間のことを大事にしないお前はいつか見離されるぞ。それに……人生はもう終わったと思え」
「何をするのです……警察?」
目の前の光景に唖然としていると外からパトカーの音が聞こえた。
その音に気づいた皇賢太も柚琉に手を出す前に外の状況を確認している。
「総長!やっと片付いたぜ」
「柚琉様、皇様。おけがはございませんか?」
この状況を飲み込めない私。そしていつの間にか後ろにはみんながいて、私たちを囲んでいた。