イケメン双子の総長さまは孤独な姫を甘い愛で包み込む。
そこから話は早かった。
その日の夜に病院に電話を入れてくれた。そして、次の日は学校もバイトも休みだということで午後から会うことに決まった。
正直、怖い気持ちもある。
今までお母さんはどんな暮らしをしてきたのだろう。そして、私の過去を知ったら、どんな気持ちになるのかな。
申し訳なさと会いたい気持ちが半々で、複雑だった。
聞いた話だと、お母さんはあの日に無事保護されて病院に入院が決まった。長い間皇賢太の元で虐待を受けていて、精神もやられていたらしい。
そのことを聞いて、私はいてもたってもいられなかった。
早く……お母さんに会いたい。
***
獅子堂さんの運転で病院まで送ってくれて、車を降りる。音桜さんと一緒に、中に入った。
柚琉と柚月は外で待ってると見送ってくれた。
「すみません、皇萌奈の面会に来たものですが」
「はい。ご予約されてる方ですね?」